芸能人は芸能事務所へ所属して活動するほか、自身で個人事務所を設立して活動する方法などがあります。
では、芸能人が個人事務所を設立して活動する場合、顧問弁護士と契約する必要はあるのでしょうか?また、芸能人の個人事務所で顧問を依頼する弁護士は、どのような視点で選定すればよいのでしょうか?
今回は、芸能人の個人事務所における顧問弁護士の要否や顧問弁護士が担う主な役割、顧問弁護士を選ぶ主な視点などについて、芸能事務所の顧問弁護士を数多く務めている弁護士がくわしく解説します。
芸能人の個人事務所は顧問弁護士との契約がベター
芸能人の個人事務所は、顧問弁護士と契約するのがベターといえます。なぜなら、芸能人が個人事務所で活動することには、自己責任の側面が強いためです。
大手の芸能事務所に所属している場合には、トラブルが発生したら所属事務所や事務所の顧問弁護士が対応してくれることでしょう。また、出演契約などを締結する際にも、芸能人自身は契約書を見る機会さえほとんどないと思います。
しかし、個人事務所を設立したら、トラブル発生時に第三者が守ってくれることはありません。また、契約交渉や契約書の締結なども、すべてが自己責任です。
契約書の条項を見落としたまま押印をしてしまい、後に不利な対応を強いられても、公序良俗に反するなど極端なものでない限り、原則として契約書の記載内容に従う必要があります。
とはいえ、自身が一から法律を勉強してこれに対応するのは、あまりに非効率です。そうではなく、法務周りを任せられる信頼できる顧問弁護士を見つけ、自身は芸能人としての活動に注力すべきでしょう。
個人事務所で活動するメリット
続いては、個人事務所として活動するメリットを3つ紹介します。
- 収入を最大化しやすい
- 仕事内容を選びやすい
- 自由なスケジュールで活動しやすい
収入を最大化しやすい
1つ目は、活動による収益を最大化しやすいことです。
芸能事務所に所属している場合、収益は所属事務所と分け合うこととなります。収益の分配方法は割合で定められる場合もあれば、いったん事務所がすべて受け取り、タレントは毎月定額の報酬を事務所から受け取る場合もあるでしょう。
いずれにしても、出演先が支払った出演報酬をそのまま芸能人が受け取ることはありません。
一方で、個人事務所の場合には、クライアントが支払った報酬は、原則としてすべて自身の個人事務所に入ります。その結果、収入の最大化が可能となります。
仕事内容を選びやすい
2つ目は、仕事を選びやすいことです。
芸能事務所に所属している場合、たとえ自身の意に沿わない仕事であっても、事務所の意向で受けざるを得ない場合もあるでしょう。反対に、自身の取り組みたい仕事が「イメージに合わない」などとして受けられない場合もあると思います。
一方で、個人事務所では自身で仕事を選ぶことが可能となります。セルフプロデュース力に長けている場合、これがファンやクライアントを増やすことにもつながるでしょう。
自由なスケジュールで活動しやすい
3つ目は、自由なスケジュールで活動しやすいことです。
事務所に所属している場合、休暇なども事務所と相談したうえで決めなければなりません。
まとまった休みが取れなかったり、無理なスケジュールで活動せざるを得なかったりする場合もあるでしょう。
一方で、個人事務所の場合には自由なスケジュールで活動しやすく、長期休暇なども取りやすいといえます。
個人事務所で活動するデメリット
個人事務所で活動することには、デメリットもあります。ここでは、主なデメリットを3つ解説します。
- 仕事の保証がない
- マネージャーや事務員、法務担当者が必要であれば自分で雇用する必要がある
- トラブル発生時に事務所に守ってもらえない
仕事の保証がない
1つ目は、仕事の保証がないことです。
個人事務所では、仕事を受けようが受けまいが自己責任です。そのため、長期休暇を得るために仕事を断ることが続けば、次から仕事を依頼してもらえないかもしれません。
また、所属時代のように事務所が営業で売り込んでくれることもないため、仕事を得たいのであれば自ら営業やアピールをする必要が生じます。
マネージャーや事務員、法務担当者が必要であれば自分で雇用する必要がある
2つ目は、スタッフを自身で雇用する必要があることです。
芸能事務所に所属している場合、契約の締結や営業活動、マネジメント、スケジュール管理などは芸能事務所のスタッフが担うことが一般的です。
一方で、個人事務所では、自身で行えないものについては担ってくれる人を自身で雇用したり外部委託したりする必要が生じます。なかでも、法務面の整備は必須といえ、弁護士と顧問契約を締結することが多いでしょう。
トラブル発生時に事務所に守ってもらえない
3つ目は、トラブル発生時に事務所に守ってもらえないことです。
芸能活動をする中で、トラブルに巻き込まれるリスクをゼロとすることは困難です。自身の行動が発端となってトラブルとなる場合のほか、インターネット上で誹謗中傷をされたりストーカーの被害に遭ったりするおそれもあります。
しかし、芸能事務所に所属していない場合には事務所は守ってくれません。このような場合にも、顧問弁護士がいると安心でしょう。
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ法務に特化しており、顧問契約のプランも設けています。芸能人の個人事務所に対応できる顧問弁護士をお探しの際は、伊藤海法律事務所までお気軽にお問い合わせください。
個人事務所の顧問弁護士が担う主な役割
個人事務所が弁護士と顧問契約を締結した場合、顧問弁護士はどのような役割を担うのでしょうか?ここでは、顧問弁護士が担う主な役割について解説します。
- 契約書作成・レビュー
- 法律相談
- 訴訟・トラブル対応
- 契約交渉の同席・代理
なお、「顧問契約」の内容は決まっているわけではなく、具体的な内容は弁護士によって異なります。また、複数のプランを設けている事務所もあります。
そのため、顧問弁護士を依頼する際には、顧問契約でどのようなサポートをしてもらえるのかあらかじめ確認しておくべきでしょう。併せて、基本料金や追加でサポートを依頼した場合に発生するオプション料金も確認しておくと安心です。
契約書作成・レビュー
顧問弁護士は、契約書の作成やレビューを担います。
芸能人の個人事務所では、外部と契約を締結する機会が多いでしょう。契約書は当事者を拘束するルールとなるものであり、不備があればトラブルの原因となりかねません。
また、契約書の「正解」は一つではなく、相手方が契約書の原案を作成した場合には、相手方にとって有利な条項が盛り込まれていて当然です。これに気付かず提示された契約書の内容でそのまま合意してしまうと、不利な対応を強いられる事態となりかねません。
そのため、締結前に顧問弁護士に確認を受け、内容を吟味すべきでしょう。
法律相談
個人事務所を運営する中では、困りごとが生じることもあるでしょう。その場合には、顧問弁護士へ相談できます。相談だけで完了する場合もあれば、その後の具体的な交渉や請求、訴訟などに進む場合もあります。
なお、顧問契約では顧問料内での相談やこれを含めた稼働時間が「1ヶ月〇時間以内」のように定められており、これを超えると追加料金が発生することが一般的です。そのため、相談できる時間をあらかじめ把握しておくことをおすすめします。
訴訟・トラブル対応
個人事務所を設立して活動する場合、訴訟やトラブルの当事者となることがあります。たとえば、次のトラブルなどが想定されます。
- 契約で取り決めた期日までに、報酬が支払われない
- インターネット上で誹謗中傷をされた
- 以前所属していた事務所から、仕事の獲得を妨害されている
- 無断で肖像が使用された
- 一方的に仕事を打ち切られた
- 事務所の賃料を、オーナーから一方的に値上げされた
- 事務所スタッフを解雇したい
このようなトラブルが発生した場合にも、顧問弁護士が対応できます。トラブルの種が生じた際にまずは相談したうえで、具体的な対応を検討することとなるでしょう。
契約交渉の同席・代理
顧問弁護士には、必要に応じて契約交渉の場に同席してもらったり、契約締結を代理してもらったりすることが可能です。特に、芸能人は多忙であることが多く、契約締結の場に自身が直接出向けないことも多いでしょう。そのような際にも、顧問弁護士がお役に立てます。
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ法務に特化しており、芸能人が設立した個人事務所の顧問弁護士としても豊富な実績を有しています。芸能・エンタメ法務に強い顧問弁護士をお探しの際は、伊藤海法律事務所までお気軽にご相談ください。
芸能人の個人事務所の顧問弁護士を選ぶ視点
芸能人の個人事務所が顧問弁護士を選ぶ際は、どのような視点で選べばよいのでしょうか?ここでは、顧問弁護士を選ぶ際に確認すべき主な視点を4つ解説します。
- 芸能・エンタメ分野におけるサポート実績は豊富であるか
- 顧問プランは柔軟であるか
- 知財に関しても相談できるか
- コンタクトの手段は豊富か
芸能・エンタメ分野におけるサポート実績は豊富であるか
1つ目は、芸能・エンターテインメント分野におけるサポート実績です。各業界それぞれに特有の取引慣習や前提として理解しておくべき事項があるなかで、芸能・エンタメ分野は特にこれが顕著です。
芸能・エンタメ分野に精通していない弁護士に顧問を依頼した場合、業界における前提知識が不足しており、やり取りが煩雑となるおそれがあります。また、業界における取引慣習を理解していないと、実態にそぐわない的外れなアドバイスがなされる可能性もあります。
業界に特化した弁護士は、その業界における判例や裁判例について日々研究を重ねていることに加え、実際のサポート事例も積み上がります。これらを踏まえてアドバイスや具体的なリーガルサポートを行うため、業界に精通した弁護士に顧問を依頼することで最新の情報を踏まえたより質の高いリーガルサポートを受けやすくなります。
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ法務に特化しているため、顧問契約についても安心してご相談いただけます。芸能・エンタメ分野に特化した弁護士をお探しの際は、まずはお気軽にお問い合わせください。
顧問プランは柔軟であるか
2つ目は、顧問プランの柔軟性です。
顧問を実施している弁護士の中には、ある程度規模が大きな企業からの依頼を前提にプランを構築している場合があります。弁護士がこのようなプランしか提供していない場合、個人事務所には無駄なサポートがついておりミスマッチとなりかねないでしょう。
そのため、自社に合った顧問プランを提供しているか否かあらかじめ確認することをおすすめします。
伊藤海法律事務所では4種類の顧問プランを設けているため、状況やご希望に応じたプランを選択いただけます。
知財に関しても相談できるか
3つ目は、知財に関しても相談できるか否かです。
芸能・エンタメ業界では知的財産の保護が重要となる局面が少なくありません。知的財産についてアンテナを張っていなければ、不測のトラブルが生じるおそれがあります。
そのため、芸能人の個人事務所が顧問弁護士を選ぶ際は、知的財産の保護にくわしいことも重要な基準の一つとなるでしょう。
伊藤海法律事務所の代表である伊藤海は弁護士のほか弁理士資格も有しており、知財のプロフェッショナルでもあります。
コンタクトの手段が豊富にあるか
4つ目は、コンタクトの手段です。
たとえ優秀な弁護士であっても、たとえば事務所へ出向かなければ相談に乗ってもらえないとなれば、動きの早い芸能分野においては不満が生じやすいでしょう。そのため、顧問契約をした場合において、電話やチャットなどでの相談も可能か否か、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
伊藤海法律事務所はLINE(ライン)やChatwork、Slackにも対応しており、スピーディーな対応が可能です。
個人事務所の顧問弁護士なら伊藤海法律事務所へご相談ください
個人事務所で顧問弁護士をお探しの際は、伊藤海法律事務所までご相談ください。最後に、伊藤海法律事務所の主な特長を紹介します。
- 芸能・エンタメ法務に特化しており実績が豊富である
- 代表は弁理士資格も有しており知財にも強い
- エンタメに特化した他の士業とも連携している
- 海外との契約にも対応している
- さまざまな連絡ツールに対応している
芸能・エンタメ法務に特化しており実績が豊富である
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ分野に特化しており、豊富な実績があります。業界特化型であるため、業界の取引慣習や業界にまつわる実例なども熟知しており、より高度なリーガルサポートが可能です。
代表は弁理士資格も有しており知的財産にも強い
伊藤海法律事務所の代表である伊藤海は弁護士であることに加え、知財を専門とする国家資格である弁理士でもあります。そのため、知的財産の面でも隙のないアドバイスやサポートを実現しています。
エンタメに特化した他の士業とも連携している
個人事務所を営む上では、法律面のみならず、税務や社会保険関係などで不安に感じることも多いでしょう。
伊藤海法律事務所は、エンタメ分野に特化した社会保険労務士や行政書士、税理士などとも連携しています。そのため、他の士業の専門分野について困りごとが生じた際も、スムーズなご紹介が可能です。
海外との契約にも対応している
芸能人の個人事務所では、海外と契約する機会が生じることもあります。
伊藤海法律事務所は海外との契約にも対応しているため、海外との取引が生じた際にも安心です。
さまざまな連絡ツールに対応している
伊藤海法律事務所はLINEやChatwork、Slackなど連絡ツールに幅広く対応しています。そのため、スピーディーなご連絡が可能です。
また、多忙でありご相談にお越しいただくまとまった時間が取れない場合であっても、ご相談いただきやすいでしょう。
まとめ
芸能人の個人事務所に顧問弁護士が必要である理由や顧問弁護士を選ぶ視点や、顧問弁護士が担う主な役割などを解説しました。
個人事務所を設立すると自由度が高くなる半面、自己責任の側面も強くなります。トラブルに巻き込まれた際も、大手の芸能事務所に所属している場合とは異なり、所属事務所が守ってくれるわけではありません。
また、契約の締結なども自己責任となります。そのため、安心して芸能活動に打ち込むためには、信頼できる顧問弁護士を見つけることが必要です。個人事務所の顧問弁護士は、芸能・エンタメ分野や知財にくわしく、自社に合った顧問プランを展開している事務所を選択するとよいでしょう。
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ法務に特化しており、この分野におけるリーガルサポートについて豊富な実績を有しています。また、連絡手段も豊富であり、スピーディーな連絡が可能です。
個人事務所で顧問弁護士をお探しの際には、伊藤海法律事務所までお気軽にご相談ください。