芸能事務所は日々、多くの人や企業と関わります。そのため、弁護士にサポートを受けるべき場面は少なくありません。
では、芸能事務所が弁護士へ相談すべきなのは、どのような場面なのでしょうか?また、芸能事務所は、どのような視点から弁護士を選定すればよいのでしょうか?
今回は、芸能事務所が弁護士へ相談すべき主な場面や顧問弁護士が担う主な役割を紹介するとともに、芸能事務所が弁護士を選ぶ主な視点などについてくわしく解説します。
なお、伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ法務に特化しており、芸能事務所様からも多くのご相談をいただいています。芸能分野におけるリーガルサポート実績が豊富な弁護士をお探しの際は、伊藤海法律事務所までお気軽にお問い合わせください。
芸能事務所が弁護士へ相談すべき主な場面
はじめに、芸能事務所が弁護士へ相談すべき主な場面を紹介します。このような事態に直面してお困りの際には、伊藤海法律事務所までお気軽にご相談ください。
- 契約を締結するとき
- 所属タレントとの契約関係を整備したいとき
- 所属タレントや外部取引先とのトラブルが発生したとき
- 誹謗中傷トラブルが発生したとき
- 週刊誌による名誉毀損がなされたとき
- コンプライアンスを強化したいとき
- 知的財産権の処理が必要なとき
契約を締結するとき
芸能事務所は、さまざまな相手方と契約を締結します。
代表的なものとしては、所属タレントと締結するマネジメント契約や、テレビ局や出版社、イベント運営者などと締結するタレントの出演契約などが挙げられるでしょう。ほかにも、事務所を借りる際の賃貸借契約書や従業員と締結する雇用契約書など、非常に多岐にわたります。
契約書は、公序良俗や強行規定に反しない限り、当事者間において法律に優先されるものです。そのような役割を持つ契約書に万が一不備があると、トラブルの原因となったりトラブル発生時に解決が困難となったりするおそれが生じます。また、取引先から提示された契約書には相手方に有利となる条項が盛り込まれている可能性があるため、内容を吟味しなければなりません。
そのため、契約の締結に際しては、弁護士へ相談しサポートを受けるとよいでしょう。
所属タレントとの契約関係を整備したいとき
芸能事務所の中には、所属タレントと正式な契約書を交わしていない場合や、覚書程度の非常に簡素な契約書を形式的に交わしただけである場合などもあるようです。しかし、そのような状況で万が一トラブルが生じると、解決が困難となったりトラブルが長期化したりする事態となりかねません。
このような状況において、所属タレントとの契約関係を整備したい場合には、弁護士へ相談するとよいでしょう。弁護士のサポートを受けることで、必要な段階を踏んで契約関係を整理しやすくなります。
所属タレントや外部取引先とのトラブルが発生したとき
芸能事務所は、所属タレントや外部の取引先とのトラブルに見舞われることがあります。たとえば、次のようなケースなどが想定されます。
- 所属タレントがイベントに出演したものの、期日になっても相手方から対価が支払われない
- 出演契約を交わしたにもかかわらず、相手企業から一方的に出演をキャンセルされた
- 所属タレントが問題を起こし、取引先から損害賠償請求をされている
- 費用をかけて育成したタレントから、移籍(独立)を希望されている
- 所属タレントが刑事事件を起こした
- 所属タレントが他者とトラブルを起こした
- 所属タレントや他の関係者などから、訴訟を提起された
このような事態が生じた場合には、慎重な対応が求められます。万が一対応を誤るとトラブルが悪化したり、解決が困難となったりするおそれがあります。そのため、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。
誹謗中傷トラブルが発生したとき
誰もが手軽に情報発信ができるようになった昨今、誹謗中傷トラブルは後を絶ちませんSNSやブログのコメントなどで、所属タレントが誹謗中傷される場合もあるでしょう。なかには、脅迫に該当し得るものさえ存在します。
誹謗中傷は、放っておくとエスカレートしてしまいかねません。また、事務所が何ら対応をしない場合、事務所側の責任が問われるおそれもあります。そのため、誹謗中傷がなされている場合、事務所が弁護士へ相談し、早期に厳正な対処をすべきでしょう。
週刊誌による名誉毀損がなされたとき
所属タレントの名誉が、週刊誌によって毀損される場合があります。刑法上の名誉毀損罪は、次の3つの要件をすべて満たした場合に違法性が阻却されます(刑法230条の2)。
- 公共の利害に関する事実に係ること
- その目的が専ら公益を図ることにあること
- 事実の真否を判断し、真実であることの証明があったこと
週刊誌が名誉毀損罪に問われないのは、原則として、この違法性阻却要件を満たしているためです。一方で、真実ではない報道がなされた場合には、違法性は阻却されません。
また、刑法とは別途、民事として損害賠償請求も検討できます。週刊誌による名誉毀損でお困りの際も、弁護士へご相談ください。
コンプライアンスを強化したいとき
コンプライアンスに問題があれば後に大きなトラブルに発展するおそれがあるほか、SNSなどで「炎上」するリスクもあります。また、自社では「コンプライアンス違反」程度の認識である行為が、実際には違法行為である可能性も否定できません。
後に問題を残さないよう、芸能事務所は自社のコンプライアンスを点検し、強化することをおすすめします。コンプライアンスを強化したい場合も、弁護士がお役に立てます。
知的財産権の処理が必要なとき
芸能事務所では、著作権や商標権などの知的財産権の処理が必要となる場面も多いでしょう。
知的財産権は目に見えるものではなく、契約によって譲渡やライセンスの範囲が決まるものです。万が一処理に問題があれば、自社の想定とは異なる事態が生じ、損失を被ってしまうかもしれません。
そのため、知的財産権の処理が必要となった際は、弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士のサポートを受けることで、状況に即した的確な処理が実現できます。
なお、伊藤海法律事務所の代表である伊藤海は弁護士のほか弁理士資格も有しており、知的財産権の保護についても強みを有しています。知的財産権についても相談できる弁護士をお探しの際は、伊藤海法律事務所までご相談ください。
芸能事務所の顧問弁護士が担う主な役割
芸能事務所が弁護士と顧問契約を締結した場合、弁護士はどのような役割を担うのでしょうか?ここでは、弁護士が担う一般的な役割を解説します。
なお、顧問契約の具体的な内容は弁護士によって異なるうえ、複数の顧問プランを設けている事務所もあります。そのため、実際に顧問契約を締結しようとする際は、その弁護士によるプラン内容をあらかじめ確認することをおすすめします。
伊藤海法律事務所では、ご希望に応じて最適なプランを選択いただけるよう、4種類の顧問プランを設けています。芸能事務所で顧問弁護士をお探しの際は、伊藤海法律事務所までお気軽にご相談ください。
契約書など法律文書のリーガルチェック・作成
顧問弁護士の代表的な役割の一つは、契約書など法律文書のリーガルチェックや作成です。顧問料の中に、一定通数分の契約書リーガルチェック報酬が含まれていることもあるでしょう。
顧問弁護士である場合は弁護士がクライアント企業の背景などを理解しているため、より自社に合ったサポートを受けやすくなります。
交渉への同席・交渉代理
顧問弁護士は、必要に応じて、契約交渉の場への同席や交渉の代理などを行います。弁護士が同席や代理をすることで、法令への理解不足から不利な提案を飲んでしまう事態を避けられ、契約交渉をより有利に進めやすくなるでしょう。
法律相談対応
顧問弁護士へは、法律相談をすることができます。困りごとが生じた際に気軽に相談しやすい点が、弁護士と顧問契約を締結する最大のメリットといえるでしょう。
顧問であれば、弁護士がクライアント企業の背景やそれまでの経緯などを把握しているため、より実態に即したアドバイスが受けられます。また、弁護士が多忙である場合であっても、顧問先は優先的に対応してもらえることが一般的です。
伊藤海法律事務所では、顧問先企業様に限定してLINEやChatwork、Slackによるご相談を可能としています。また、法務部のチャットに弁護士を追加いただくことも可能であり、スピーディーな対応を実現しています。
社内研修
顧問弁護士へは、コンプライアンス研修や法改正研修などの社内研修を依頼できます。弁護士へ社内研修の講師を依頼した場合には最新事例や裁判例などを交えた講義を受けやすく、知識のアップデートにつながるでしょう。
社内研修への対応の可否は弁護士によって異なるため、ご希望の際はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
訴訟対応
顧問弁護士へは、訴訟対応を依頼できます。自社が訴訟を提起する場合のほか、相手方から訴訟を提起された場合の対応を任せることも可能です。
芸能事務所は多くの取引先などとかかわるため、トラブルに巻き込まれるリスクが低くありません。訴訟対応を任せられる弁護士と顧問契約を締結しておくことで、日々の業務に安心して臨みやすくなるでしょう。
芸能事務所が弁護士を選ぶ際の主な視点
芸能事務所が弁護士に依頼する場合、どのような視点で選べばよいのでしょうか?ここでは、弁護士を選ぶ際に重視すべき主な視点を4つ解説します。
- 芸能分野の事情にくわしい
- 芸能分野のサポート実績が豊富にある
- 状況に応じた柔軟な対応が期待できる
- 知財に強い
芸能分野の事情にくわしい
1つ目の視点は、芸能分野の事情にくわしいか否かです。
それぞれの業界に特殊事情はあるものの、芸能・エンタメ分野ではその傾向が顕著です。そうであるにも関わらず、依頼した弁護士が芸能分野の事情にくわしくない場合、用語や業界の取引慣習などを一から説明する必要が生じます。場合によっては、業界の慣例にそぐわない的外れなアドバイスをされてしまうこともあるでしょう。
また、芸能・エンタメ分野に特化した弁護士は、関連する業界でのトラブル事例や判例、裁判例などにアンテナを張っています。そのため、業界事情にくわしい弁護士を選ぶことで、最新の動向を踏まえたより的確なアドバイスやサポートを受けやすくなります。
芸能分野のサポート実績が豊富にある
2つ目は、芸能分野におけるサポート実績が豊富であるか否かです。業界事情にくわしいのみならず、豊富なサポート実績を有しているのであれば、安心して任せやすいといえます。
弁護士には守秘義務があるため、当然ながらクライアント様の詳細についてお伝えはできないものの、業界に関連するクライアント様の数程度であれば答えてもらえる可能性が高いでしょう。
状況に応じた柔軟な対応が期待できる
3つ目は、状況に応じて柔軟な対応が期待できるか否かです。
芸能事務所では、弁護士に突発的に対応してもらいたい場合もあるでしょう。そのため、対面のみならずチャットなどでも相談できるなど、臨機応変な対応が期待できる弁護士を選定するとよいでしょう。
なお、伊藤海法律事務所では、一定の顧問契約をいただいた場合、クライアント様のご希望に応じ、法務部のチャットに弁護士が参加しています。また、顧問先様はLINEやChatworkなどからのコンタクトも可能であるため、よりスピーディーな対応が可能です。
知財に強い
4つ目は、知財に強いか否かです。
芸能事務所では、知的財産に関連する契約を締結すべき場面も多いでしょう。知的財産についての理解が浅ければ思わぬ損失を被ったり、トラブルの原因となったりしてしまいかねません。
そのため、芸能事務所が弁護士を選ぶ際は、知的財産に強いか否かも考慮のポイントとすることをおすすめします。
伊藤海法律事務所の代表である伊藤海は、弁護士のほか弁理士資格も有しています。そのため、知財面においても手厚いサポートが可能です。
芸能事務所で弁護士をお探し場合は伊藤海法律事務所へご相談ください
弁護士をお探しの芸能事務所様は、伊藤海法律事務所までお気軽にお問い合わせください。最後に、伊藤海法律事務所の主な特長を4つ紹介します。
- 芸能・エンタメ法務に特化している
- 代表は弁護士のほか弁理士資格も有している
- エンタメ分野に強い他の士業ともタッグを組んでいる
- 海外との契約にも対応可能である
芸能・エンタメ法務に特化している
伊藤海法律事務所は、芸能・エンタメ法務に特化しています。業界の独自の商慣習やトラブル事例などを常にウォッチしているため、より的確なリーガルサポートが可能です。
代表は弁護士のほか弁理士資格も有している
先ほども触れたように、伊藤海法律事務所の代表である伊藤海は、弁護士のほか弁理士資格も有しています。弁理士は、知的財産を専門とする国家資格です。
芸能事務所では、知的財産権にまつわる契約を締結する機会も多いでしょう。当事務所は弁護士と弁理士の両方の視点から、知的財産の保護についてもアドバイスやサポートを提供します。
エンタメ分野に強い他の士業ともタッグを組んでいる
芸能事務所を営む中では、社会保険関係や税務、補助金の申請など、さまざまな困りごとが生じる場合もあるでしょう。
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ分野に強みを有する行政書士や社会保険労務士、司法書士、税理士などと連携しているため、必要に応じて最適な専門家におつなぎできます。
海外との契約にも対応可能である
芸能事務所では、海外企業などと契約を締結すべき場面もあるでしょう。伊藤海法律事務所では海外との契約にも対応しているため、海外との取引がある場合であっても安心してお任せいただけます。
まとめ
芸能事務所が弁護士へ相談すべき場面や顧問弁護士が担う主な役割を紹介するとともに、芸能事務所が顧問弁護士を選ぶ視点などについて解説しました。
芸能事務所は関与する人や企業も多く、さまざまなトラブルに見舞われることがあります。所属タレントとのトラブルのほか、社外の取引先などとのトラブルもあり得るでしょう。また、タレントがSNS上で誹謗中傷されるなどのトラブルも想定されます。
そのような際、すぐに相談できる弁護士がいると安心です。顧問弁護士へは日ごろの法律相談ができるほか、契約書のリーガルチェックや訴訟対応、契約交渉などを任せることも可能です。
信頼できる弁護士と顧問契約を締結することで、安心して業務に臨みやすくなるでしょう。顧問弁護士は、芸能分野におけるサポート実績が豊富であり、知財面でも相談できる事務所を選ぶことをおすすめします。
伊藤海法律事務所は芸能・エンタメ法務に特化しており、芸能事務所などについて豊富なサポート実績を有しています。また、4種類の顧問プランを設けており、ご希望に応じて最適なプランをご選択いただけます。
業界に特化した弁護士をお探しの芸能事務所様は、伊藤海法律事務所までまずはお気軽にお問い合わせください。